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夢の島の二階10/19/2021 お疲れさまです。シチクです。 今回は「夢の島の二階」にインタビューさせて頂きました。というより、蝦子さんから逆オファーがあった。 いっつも蝦子さん急なんだよなぁ。まあ森下さん面白いからそれで許すよ。 でも、俺夢の島の二階を取材したかったからタイミング良かった。 今回は「夢の島の二階ワンマン公演」の事や、個人的に取材してて面白いな~と思った話を抜粋して記事にしてる。 なのでザックリしてる。インタビュー下手なのもある。申し訳ない。 まあそんな感じなのでラフに見てほしい。まあいつもラフだけどな... では早速どうぞ。 <夢の島の二階> 2003年夏北海道の辺境の町、函館でLittle Jagarとdancing smithにより結成。 以後函館市内を中心のライブ活動をベースとしながら定期的に札幌や東京にも遠征。 ライブハウス、路上、居酒屋、BAR、屋外、やれる場所があれば何処でも演奏。 音源を数枚、ビデオも制作。 アートワークは全て自分達で監修し音以外でもその世界観を存分に発揮している。 その現れの一つとして2011年函館アートフェスティバルにテーマである「花」を題材に絵画と曲を出品。 「天国と地獄をこねこねしたような」と形容されるそのステージは、これまで対バンしてきた音楽人から絶賛される。 ■公式ホームページ yumenoshimano2kai.jimdofree.com/ ◆ワンマンについて ---:シチク / も:もちだ /エ:蛯子 /夢:夢島二人 --- 今回のワンマンについて無難な質問になるんですけど、意気込みや”どういうワンマンにしたいか”それを教えてもらおうと思ったんですけど…起きてます?(蝦子が眠そうなのを見て) 夢)(笑) エ)最近曲がいっぱいあるから、それを30分でやるのは5曲ぐらいしかできないから。 どんどん曲もいっぱいできてるし、曲が溜まってきて丁度それを今バーッと披露出来る良い機会なんだろうなって気はするけど…まあ意気込みとは違うかもだけど…最近の曲を一気にやるぞってのが意気込みかな… も)新曲が出来てるってのもあるけど、やっぱ最近スタジオの練習量とかが結成してから今までと比較出来ないぐらい一番多いから(笑) エ)毎週入ってる… も)そうだね。必ず入ってる(笑)「1週間に1回ってそうでもないじゃん」って思うかもしれないけど、結構あっという間なんだよ!(笑) --- 1週間に1回って入ってる方ですよ。社会人からしたら(笑) も)だよね!?ちなみに最近は週2回ぐらいのペースで3時間入ってる(笑) 【一同笑】 も)なんか結構やばいよね、頭がふわふわしてるいつも。 ---今回のワンマンめちゃくちゃ楽しみなんですよ。これはインタビューだから”お誂え向き”な話をしてるわけじゃなく本当に楽しみなんです。最近曲をちゃんとやってるし…夢の島の二階を昔から知ってるからこういう言い方になっちゃいますけど(笑) 即興じゃなくなったじゃないですか?それで尚且つ練習してるんだっていうのを聞いてたし。頻繁にスタジオで会う事もあったから「すごく練習してんだな」って思って。めっちゃ楽しみです。夢の島の二階の中ではビッグイベントになるんではないかと個人的には思ってます。ね!蛯子さん! エ)何かタイミングが良かった気がするね。今までだったらちょっと早かったような気がするし。 も)なんていうんだろう、俺らは「他のバンドとは違うものをみせてやるぜ!」「やってやるぜ!」っていう気持ちだけはあったんだけど、そこに伴う技術が追いついてないっていう。空回りをずっとしまくってたっていうか。今まではその空回りとかが「むしろそれが良い」と思ってたみたいな。演奏技術などを寝ないで練習したりとか、ちゃんと練習してバンドマンっていう風に思われないようにするみたいな、逆張りじゃないけどさ。「練習してないけど俺はこんな面白い事できるよ!」みたいな(笑)中二病みたいな。ちょっとヤバい方向に進んでたっていうか。それがずっと10年以上続いてるから。 --- 昔と違って最近だと”曲”になってますよね本当に(笑) ちょっとワンマンの話から逸れますけど、何年前ぐらいからそういう風な感じになったんですか?今みたいな「ちゃんと作ってやってこう」みたいな。 も)それまで何か曲らしきものは作ってたけど、でも結局即興パートと曲としてのリフのパートがあるような、要は対局思考っていうか、ちょっとプログレッシブな感じの曲が多かったから、だから必然的にやっぱ長くなって1曲が10分とか。だからもうライブでやるにしても3曲ぐらいしか出来ないじゃんみたいな。 「なんかなぁ...」って思いながらやってた。もうちょっと短い曲作るっつっても、その作る技術もないしみたいな。即興パートと混ぜたら長くなっちゃうし。 何年も前から、どうにかこうにか3、4分ぐらいの短い曲を作りたいって思ってて。で、俺が結構リフ作ることが多くて、リフ作って「どう?」ってシンさん(蝦子)に送って聴いてもらうんだけど、100個ぐらい送ったら良いんじゃねえかって言われたのが5個ぐらい(笑) 【一同笑】 も)「はあっ?」て思うけど、まあ俺だけが良いと思ってもしょうがないと思って… --- 100曲送ってる時点でも凄い面白いけど、それをちゃんと聴いて5個くらい採用してる蛯子さんも面白い(笑) も)結構長文でLINEくるんだけど「このリフはこれこれこういう所が良いけど、ここはあまり面白くない」とかハッキリくるから「そうかな…」ってなってきて。 最初は結構ムキになったりしてたけど、俺が面白いと思ってもシンさんが面白くないって思ったらやる意味ねえなって。「じゃあもう良いっす!大丈夫っす!」っつって(笑) 【一同笑】 --- 即興でやってた時は話し合う事がなかった分、今は曲をしっかり作ろうという意識になって、良い意味での言い合いみたいなのが多くなってきたって事ですね。 前はそんなに言ったりしてなかったっていうか、内容も違ったりしてたんですか? も)前はワンアイディア・ワンソングみたいな。札幌のバンドで言うとモハメドアリキャンペーンみたいな(笑)例えば「この曲はゆっくりな感じでファズいっぱいかけてワーッてやろう!」とか。 エ)テーマを決めて曲やろうとか。 も)「脱皮」をテーマにしたりね。それだけ決めてやってみるみたいな。 エ)まあそれでやってみても、それが100パーセント良いかどうかは自分達でもよく分かんない感じだったんだよな。 も)基準点みたいなのがかなり低かったと思う。例えば「トマト」をテーマにやってみて「何か今トマトっぽかったな」ってちょっとでも思える箇所があったらそれで良かったね~出来たんじゃない~?って決めちゃってた。 技術を習得するって方にも目を向けてなかったし、なんか面白かったから良いんじゃない?っていう趣味の延長みたいな。良くも悪くも自分は即興で歌えるタイプの人間だし、シンさんがある程度即興でドラム叩けるしさ。 そこに乗る上物のギターは多少チューニングが狂ってても「雰囲気が出れば面白いじゃん!」ぐらいのイメージしかなかったというか。 エ)それで出来た気になってたんだよね。 も)なってたね。ずっとなってた。たまに面白いのも出来たと思う。デモのCDとかも10枚ぐらい出してるけど、何百回ってやったライブの中から抽出していいやつを集めて入れてはみたものの、でもそんなの何十回もやった中から選んでるんだからそりゃ良い曲ばっかりになるに決まってるし。それが毎回できなきゃ意味ないなぁっていう。それがだんだん視点が変わってきたって感じはあるよね。 毎回100点じゃなくても良いけど、基準は無いとダメじゃね?っていう。 なんか「ライブ無事に終わったから良かった~。ギターの弦切れなかったから良かった~」みたいな(笑)基準がメチャメチャ低かった。 --- 少しずつ変わっていってるんですね。蛯子さんも最近打ち上げでよく「今すごく夢の島は良い」って自分で言ってるし(笑) 俺はこのワンマンはある意味「答え合わせ」みたいな感じになるのかなって勝手に思ったんですけど、周りのリアクションやら含めて色んな意味でも楽しみですね。 エ)そうそう、意気込みで言えば良いライブする自信がある。今まではその自信が曖昧だった気がする。 --- その良いライブ出来そうっていう意気込みが、この間蛯子さんが買ったスネアの金額に出てます(笑) 【一同笑】 も)そのスネア買いに行く話で言うと、ワンマンのために色んな人に声かけてスタジオ抑えてたのに「俺その日スネア買いに行きたいから日時ずらせないか」って連絡がシンさんから来て。 「何でこの日なのよ...?」って思ったけど、色んな事情があるんだろうなって思いながら飲み込んで「分かった再調整するわ」って。色んな方々に連絡してたから俺ちょっと病んだよね...ARARA店長のかとぺからも怒られるし... --- そりゃそうだ(笑) も)かとぺに電話して「ホントごめん!」って電話して… --- 各方面から蛯子さんが大暴れしてるって話は聞いてたんで、蛯子さんこの場を借りて「ご迷惑をおかけしました。すみませんでした」って言った方が良いですね。多分色んな人怒ってますよ(笑) 【一同笑】 も)この話はまだ続きがあって。結局スタジオの日変えたんだけど、その変えた日がARARA店長かとぺのワクチン2回目の日だから「ちょっと変えてもらってもいい?」って連絡きて…(笑)もう完全に呪われてんじゃんって思った(笑) エ)まあ俺からしたら...それぐらい(スネアを新調するくらい) ちゃんとワンマンを成功させたいって思ってるから。 ---だからって色んな人に迷惑かけちゃダメじゃないですか(笑) も)もう買いに行くなら最初から言っておいてくれれば良いのに…俺は余計な所で体力使いたくなかったわ… --- まあそういう色んなアクシデントもいつも通りですよ俺から見たら。でもそのいつも通りのアクシデントに色々な人が関わってるから、更に壮大なアクシデントになりましたね。 も)だって俺、一日で目の下真っ黒になったもん。 --- まあ...そういうのも乗り越え(?)お二人はワンマンに向けて「一生懸命やってる」と、そういう事にしておきます...(笑) (結局蝦子さんは謝ってなかったので、ワンマン公演後は大反省会させましょう) も)前向きに頑張らせていただいてます... --- 事前に話を聞いてる限りだとワンマンはアートや色んな人とも一緒にやるんですもんね?他に何かこれ楽しみにしてて!みたいな要素あります? エ)リキッドライトを入れて会場をいつもと違う風に…(この先は声が小さすぎて聴き取れなかった) 【一同笑】 --- ...要はまだ不確定な部分も多いんですね...?(笑)まだそんなに話を詰めてる感じではないんですか? も)でも一応もうセットリストは1ヶ月前から決まってて「大体こんな感じじゃないかな」ってのはあります。 ---あと何か他に「こういうのも導入しちゃってきます!」とかありますか? あるじゃないすか?ワンマンとかって。ライブハウス自体をちょっと装飾とか変えて雰囲気を変えるみたいな。夢島で言えば”おどろおどろしい”感じにしたりとか。勝手なイメージですけど。大昔やってたじゃないですか?たくさん風船置いてやってたりとか。 も)一応会場自体も、オープンとスタート1時間ぐらいちょっと間をあけて、ワシの描いた絵とかをARARAに飾ったりとか。そういうのをちょっと考えてる。 夢島のワンマンフライヤーだ。 チケットは完売らしい。凄いことだよ。 ◆普段の夢島 --- 謎のベールに包まれてる印象を持たれがちな、森下さんと蛯子さんなんですけど二人は普段何してます?簡単な回答でいいんですけど。 も)質問の答えじゃないかもしれないけど、彼(蝦子)は....... (蝦子さんのプライベートの話が酷いので省略) --- …...いや、それ面白すぎるけど(笑)インタビューで一番笑った。書きて~!! ここの部分(笑) まあこの話はいいや....蝦子さん改めて聞きますけど、それ以外だと普段何してんですか?(笑) エ)日曜は蕎麦食べて...平日はギター弾いたら....もう寝るよ... --- 本当にそれだけですか? エ)ほんとにそれだけ(笑)スタジオある日はスタジオ行って、あと何かいろいろパソコンとかやりたいけど、ギター弾けば疲れて寝ちゃうよ。マジそれだけ。ドラムの練習もちょっとするけど。もっとやりたい事あるけど、それで終わっちゃってる。 も)なんか普通だね... ---- あまりにも蝦子さんの内容薄いので、さっきのヤバい話使おうかな... 夢)(笑) ---森下さん何してます? も)最近は展示があったんですよ。その展示の準備とかでちょっと忙しかったかもしれないです。 --- あれすごいですよね、本当に。Twitterに上がってるやつとか見たけど。凄いなと思いました。めいちゃんとかも凄かったけど。ワンマンでも見れますもんね? も)家にあるやつ20枚ぐらいをスペースあったら持って行こうかなって。 --- おお~!スペースあったらいっぱい飾ったらいいですね。 も)そうだね。ポストカードもちょっと作ってるから、それも持って行けたらなって。 たまたまだと思うけど、なんかいつも何かやるときってワシ重なるんだよね。 このワンマンだけでも、準備とかで結構お腹いっぱいなんだけど、それにプラス今話してた展示もあったり、チラシの絵を頼まれたりとか、なんかそういうのもあったりして... --- 最近すごいバタバタしてたんですね。 も)そうだね!結構いい感じだったかもしんない。友達が遊びに来たりとか、結構睡眠サイクルが狂ってたかもしれない。 --- なるほどな~ 森下さんは結構大変で、蛯子さんを普通だったんですね。 夢)(笑) も)それプラス、スタジオ週2回だから(笑)ありがたい事だけど、何か重なる時は重なるんだなみたいな。 ◆演劇と夢の島の二階 結成当初から即興演奏が多かったが、ここ数年は「ひとつの物語のようなステージ」が多い夢島。 話の流れで”演劇”と”夢の島の二階”の関わりなどの話が聞けたのでどうぞ。 エ)演劇を見に行けば、自分らのライブにも役立つようなものを感じる気がするかな。 --- それは”役立つもの”っていうのは、具体的にいうと、どの部分なんですか? も)あれじゃないかな。多分”空気の部分”だと思うんだよね。 ---なるほど~。それは俺は分かりやすい。 も)どういう風にに声を発するとか、どういう風に立ち振る舞うとか、そういう技術的なモノの前の段階。空気をどういう風に作って観客にどう見せるか。 芝居を見るのって「観劇」って書くじゃん?観劇の観ってさ。目に見えるものだけを見るのは普通の「見る」って感じだと思うんだよね。意識して自分でそこをすくい取ろうとして見ないと分からないっていうのを”観る”っていう漢字だと思うんだよね。 だから、観劇ってそういうところがあると思ってて、目に見えないところを感じるもの。 こっちが伝えたいものを言葉にしないのに、それがお客さんに100%そのまま伝わったらめちゃめちゃ凄い事だと思う。言語的なものじゃないのにちゃんと伝わってるって。 そういう空気みたいなものをどういう風に作るかっていうのを演劇とかから学んでるかもしれない。 も)最初は寺山修司とか、三上寛さん辺りをシンさんに教えてもらったのが、俺にとっては人生を変えるぐらいの衝撃があって。それまではGLAYとかジュディマリとかしか聴いた事なかったからさ。教えてもらって「なんだこれって」なって、三上寛さんのバックにいる寺山修司っていう芝居人も「なんだこれ」ってなって。 ---どちらも凄いですからね。 も)だよね。当時は若かったし三上寛さんの”おどろおどろしい”ところとか、言葉的にインパクトあるとことか、寺山修司の芝居のインパクトあるところとか、その表面的なとこしか見れてなかったと思うんだよね。 とにかくインパクトがあって、なんかこう「ワッ!!!」っと印象深いような言葉とかあれば「それですごい」みたいなイメージがずっとあって、だから最初は一番安っぽい使い方をしてたんだと思う。芝居っていうことをちゃんと理解してないで。 今はそういうのじゃなくて、目立たなくてもいいから、丁寧に空気を作るっていうところから芝居はエッセンスとして、ちゃんと勉強していれるようにしてきてるかもしれない。 ---そうなんですね。なるほどな。 エ)あとはさ、俺何個もバンドやってるからそれそれぞれの役割がある中で夢の島の二階は夢の島の二階を表現する何かがあるから、自分らを演じるのと演劇を演じるのと、ちょっと似たような感覚がある。 も)なんか芝居の話すると結構キリないんだけど、もう一つだけ大きいところの話をすると、芝居は表現派と存在派っていうのがあって、表現派っていうのはめっちゃ分かりやすく言ったら劇団四季とか、ライオンキングとか、「心配ないさ~~!!」とか客席に向かって見やすいような感じで表情を見せたりとかさ。声もお客さんに向けて、顔を客席に向けて届けるみたいな。ザックリ言えば”わかりやすいお芝居”。存在派っていうのは、こうやって座って”話を聞いてる”・”話をしてる”っていう、この当たり前の状態を演じること。 だから、見る人によっては「普通にただそこに座ってるだけだから、全然芝居に見えないじゃん」って思う人もいるわけなんだよね。人によっては退屈だなとか、あんまり派手さ加減ないな、とか思うようなぐらいのものだと思うんだけど。その存在派の芝居が俺はすごい好きなんだよね。 エ)衣装着てる時点で演劇だったのかもしれない。今思えば。森下も普段着ってイメージが無かった。 --- 俺が中学3年くらいで森下さんと会った時には赤い浴衣を普段から着てましたもんね(笑)蛯子さんもその時から狐面してたし。 も)なんか思い返せば最初からそういうのあったのかもしれないね。非日常みたいな。 エ)同じだったんだよね。演劇とやろうとしてた事が。違いは音楽か演劇かってだけで、同じ部分がたくさんあって、色々「同じだな」って思うから。 --- 音楽と演劇って似てますよね。みんな演じてますしね。理にかなってるっていうか。 ていうか、当たり前の話だったのかもしれない。難しい話ではないのかもしれない。 も)確かに(笑)特別な話ではないのかもしれない(笑) ◆最後に も)すごい自然な感じで。自分らが信じてる音楽をやってるので「ライブハウスって行った事ないから緊張するな~」とか言う人も中にはいるかもしれないんですけど、気軽に肩の力を抜いて「楽しい事って色々あるんだな」と、思ってもらえるきっかけに”夢の島の二階”がなってくれたらいいな~なんて思いますね。 何か「変な事やってやろう」とか、今は全然思ってなくて。歯磨きするぐらい当たり前で、肩の力めちゃくちゃ抜いて出来るんだよね、最近。「歯磨きこんな風にやるのか?」って言う人もいるかもしんないけど(笑)めちゃくちゃ力抜けてて、寝る前に考える様な話を人に聞かせてるみたいな。アングラ的なものとかは活動を重ねれば重ねるほど段々無くなっていって、今はアンダーグラウンドな音楽をやってるって意識は全くないっていうか。 --- 確かにそうですね。最近夢の島の二階はそういう感じありますね。俺が中学校2、3年の時に見た夢の島の二階とは全く別バンドになっているというか、かなり昇華されたものになっているっていうか。”ろ過”された感じはしますね。悪い意味じゃなくて。すごく手に取りやすい・見に行きやすい感じになったかなって思います。 も)ビートが耳馴染みが良い、疾走感があってええやん!とか、何かそれぐらいで(笑)BGMにええやん!くらいの、お手軽な感じで聴いて欲しいなって思います(笑) エ)森下ちょっと言ったけど、昔見て”ぐちゃぐちゃなバンド”とか”ちょっと変なバンド”みたいに思ってる人にこそ今の姿を見てほしい。 あとは個人的な事だけど、俺”ギリヤーク尼ケ崎”っていう函館の大道芸人が好きなんだけど。なんかボンヤリだけど、その人みたいな表現・領域に近づければいいなって何時からか思うようになってた。そのギリヤークさんって人は昔は鬼の踊りって言われて、ちょっとアバンギャルドっていうか...怖いような...とっつきにくいような...って感じだったんだけど。今は祈りの踊りみたいな感じに言われて、洗練されたものになったんだよね。自分らもそういう洗練された方向にっていうか、グジャグジャだと思ってた人にも「こういう良い進化したんだ~」と思えるようなものになってきたと思うんだよな。 も)演奏面でどうこうっていう、不安定感みたいなのはほぼ今無くて。どういう風に気持ちを乗せるかっていう役者の気持ちみたいなの方が大きくなってるかもしれない。 わーー!!ってなってる時の気持ちってどうだろ?っていうのを客観的に自分で落とし込んで、自分をちゃんと演じられるかっていう。そういうところの話っていうか、自分をちゃんと演じられれば、もうそれはそれで良いライブ出来るんじゃないかっていう。客観的に見れる意識がすごい大事なバンドだなっていうか。 エ)一応自分なりに色んな世の中の音楽を知ってきたつもりだけど、そういう中でも絶対すごい事をやれてるって自信があるから騙されたという気持ちでライブを見に来てほしい。そのくらい今自信があるからそれを見に来てほしい。 --- 「打ち上げで怒られてる蝦子じゃないぞ!」「赤塚くんに叩かれてるだけじゃないぞ!」と、そういう事ですね?(笑) も)(笑) エ)ちゃんとドラムも叩ける(笑) --- ほんとに最近よく思うのは夢の島の二階を見て、良い意味で「笑う人が少なくなったな」って思う。 夢)あ~~~ --- 前に夢島のライブ中に俺が「シンヤーー!!!」って野次ってましたけど、最近はコミカルな部分をしちゃいけないなって思った。ほんとに洗練されたモノになったんだなって思う。 も)あの時、俺めちゃくちゃシンさんに後から言われたもん(笑)「ああいう空気にさせたらダメだ」って。 --- 俺も蝦子さんと打ち上げで同じ話したなぁ(笑) エ)今までは客が面白がるパフォーマンス要素もあったから、笑われたりとかはね。 も)計算した笑いをもらってた感じではなかったけど(笑)あとは単純に打ち合わせとか練りが足りなさすぎてね(笑) エ)こういう事をやりたいっていうのが、だんだん明確になってきたからね。 --- 長かったですね。そこまで到達するのが(笑) エ)ほんとそうさ(笑)どんな遠回りよって。 --- 最近の夢の島の二階見たら昔から知ってる人はみんなびっくりすると思う。ほんとワンマン楽しみですね。昔は奇妙なものを見に行くっていうか、夢島を見に行くなら見世物小屋見に行く感覚だったから(笑)最近は演劇的な要素もあったり...それこそ二年前も夢島と俺のバンドがツーマンした時に意図せず二人に「劇場版かよ!!」と言ったけど、それって映画を見た感覚に等しいって事だから、それだけ上質になってたんだなぁって思ったんですよ。 エ)見世物小屋って気持ちが自分らにもちょっとあったしね。 も)そうだね。それは狙ってたかもしれない。 --- だからワンマン楽しみにしてますよ。ほんとに。 エ)良いライブになると思うよ。 も)こういう時間の重ね方をしてきたから、余計なものとか無駄なものとかの価値がすごく身に沁みたっていうか。トマソンの話じゃないけどさ。一見は無用・無価値なものとかってあるじゃん。そういうものとかって結構排除されてる気がするんだよね。何かそういうものをこの10年間ぐらい学んだ気がするんだよね。 --- 蝦子さんの新調したスネアにも大注目ですしね(笑) (蝦子さんはワンマンのために高いスネアを買った) も)そうだね(笑) --- いや~~、ほんと楽しみにしてます。 ◆あとがき いや~、ザックリしてたでしょ。最後まで見た人は本当にありがとう。 インタビューを聴き返しても夢島二人と俺のいつもの世間話みたいな感じだったから中身が本当になかったんだよね(笑) 結果的にちゃんと取材出来てなかったわ。まあそれくらい最近は夢島の二人に仲良くしてもらっている。 思えば、夢の島の二階も活動歴長いよね。プロフィールにも書いてたけど2003年から???? すごいよな.....俺初めて見たの中3とかだよ?笑っちゃうよね。他にも歴長い函館バンドはたくさんいるけど。夢の島の二階がここまで存在してくれてるのは凄いと思うな。 当時はなんというか”触れてはいけないサンクチュアリ”って感じだった。奇妙な意味で怖かったよ。 森下さんめっちゃトガってたしね(笑)今は無きライブハウス"ベイシティ"裏のローソンで森下さんに何故か怒られて、俺がキレそうになったのが最初の記憶である。 蝦子さんは昔から変わらず変だ。このままでは永遠に変かもしれない。むしろ逆に変じゃないのかもしれない....いや、それはないか。 俺とカトペさんは最近話すけど、なんだかんだ蝦子さんがみんなと仲良くしてて本当に良かったよ。もっと迷惑かけないようにしましょうね。 俺の青春の1ページどころか28ページくらいに彼らはいる。まさかインタビュー出来る仲になるとは思わなかったよ。 まあ最近の夢の島の二階は人も音も変わった。まだ変わってる最中なのかもしれないけど。 時代は変わり、夢島も変わり、最近ライブハウスで聞こえるのが「今日の夢島カッコよかったなぁ」だ。 昔は悲鳴とか「トラウマになった」とか中二病の奴らがワイワイしてる感じだったのにね。血が流れてたり、切れた髪の毛が落ちてたり凄かったよ(笑) 時は流れ....ついには"ワンマン"だってさ。しかもチケット完売。どういう世界線だよ!って。最高だな。(ARARAが最高なのもあるが) まあ話せばキリないな。くどいけど俺は楽しみだ。心して"観たい"ね。 あと、最後に蛯子さんはマジで俺以外の色んな人に感謝して下さいね(笑) 夢の島の二階インタビュー ~完~ 文字起こし:RASTER
協力:PASSVOLUMEのみなさん |